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骨法が2位に倍の差をつけて1位、しかも2位は技術英検……
まあいい、今回は骨法人気にあやかって、骨法が提唱した「分母競技」という概念から、英語の検定試験を分析するよ。
また、今回の記事はぜひ、骨法の記事を読んでから読み進めてほしい。
英検1級を合格したが、英語が使えないという現象
これは半分正しく、半分間違っている。
実際に鳥人間も、いきなり会議の場に呼び出されて「通訳してくれ」と言われたら二の足を踏む。
英検1級は難しい試験だから、合格できたのなら、英語がかなりできる人(鳥)はずだケーン。
英検1級に合格できれば「文法書や辞書を使いながら、英語で仕事ができる」英語力になっている、と鳥人間は考えている。
実際に英検協会ホームページでの「1級に求められる水準」を見てみよう。
1級
程度
広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。審査領域
読む:社会性の高い幅広い分野の文章を理解することができる。
聞く:社会性の高い幅広い内容を理解することができる。
話す:社会性の高い幅広い話題についてやりとりすることができる。
書く:社会性の高い幅広い話題についてまとまりのある文章を書くことができる。
英検公式サイト「各級の審査基準」から引用
実際に、英検の一次試験の問題が解けるようになれば、英字新聞を読んだり、空港のアナウンスが聞き取れたり、ビジネス文書が書けたりする。
さらに2次試験の合格水準に達していれば、英語を話す人の言葉を聞き取れて、こちらの意思を伝える会話ができるようになる。
そこはどう説明するんだケーン?
試験問題を解けるようになれば、英語の基本能力が身につく
だけど、1級の問題を研究して、語彙力増強や読解力を鍛えることで、英字新聞が読める水準になる。
また1級の英作文の採点基準は、ちゃんとした書き言葉の作法にのっとっていることだ。
だから、英作文で一定以上得点が取れていれば、英語圏で通用する文章の作法が身についているんだ。
あとは、技術英検の1級以上の筆記においても、「技術英検の試験で得点がとれる学習」をすることによって、技術英語の作法が身についている。
でもね、例えば、次のような得点を取ることだけに特化した対策をしたらどうだろう。
- リスニング問題で先に選択肢見て問題の先読みをする
- リスニング問題は過去の問題が再利用されているので、過去問を覚えておく
- 英作文や面接は出題されそうな話題の文章を丸暗記しておく
骨法の分母競技=身を守るための技術、を英検に援用
かつて骨法が批判した「競技の中でしか役に立たない技術」ということになる。路上で身を守れることにならない。
そして、小手先の技術を使わずに検定試験の点数がとれるようになれば、仕事で英語を使いこなせる基礎力がついているのさ。次の引用文を見てごらん。
ブラジリアン柔術の試合では、ポイントを獲得していく過程をきっちり守って試合ができるようになれば、その選手はバーリトゥードに出ても戦えるだけの力がついてしまうように、バーリトゥードに沿った形でルールが作られているのである。
(中略)
いいかえれば、ブラジリアン柔術は、スポーツのルールを巧みに利用しながら、練習生たちに実践でのノールールでの身の守り方を習得させる護身術の「躾」をしていたのだ。その点が、相手から身を守る護身術の要素をそぎ落とすことで成立している、柔道との決定的な違いだったのだ。
『骨法の完成』pp33-34
たしかに、ブラジリアン柔術はルールに乗っ取って戦うことで、練習生が実戦で身を守れるようにしたケーン。
同様に、英検も検定試験で点数を取れるようになることで、仕事で英語を使える水準になるケーンか!
身を守るための技術体系が「分母競技」で、専門の攻め技を学ぶ前に身につけるもの、という位置づけだね。
これはこのまま、英検にも当てはまるよ。
どんな状況でも、文法書や辞書、あとは英語使う分野の専門知識があれば、なんとか英語で意思疎通ができる、最低限の力、これが英検1級合格者の実力なんだよ。
- 分母競技(身を守る武者相撲)……英検1級合格
- 専門の攻め技(打撃など)……実際に英語を使う状況(人によって異なる)
つまり、剣道、ボクシング、レスリング、というくらいの違いがあるんだ。
特に通訳と技術翻訳は専門の訓練がいるんだよ。
でも、それらの動きの基礎は分母競技で作れる。
ということは、英検1級の対策をするときは、小手先の技術に走らず、正々堂々、正面突破できる実力をつけるように学習することが必要なんだケーンね。
小手先の技術で合格して、就職や転職をしても、実際に英語を運用できなければ、会社にも迷惑がかかるし、その人の信用もなくなるよ。
そして、英検という試験自体も信用してもらえなくなる。
これは悲しいことだね。
まずは骨法の本を読み込むんだケーン!
あと英検は1級までだぞ。