AI時代に英語を学ぶ意義はあるか

雉(Kiji)
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カタカタ……チャットGPTは面白いケーンな。
ん?Bingのチャットで「鳥人間の鳥人軒」を検索したのか。なになに……
鳥人間(Birdman)
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チャットGPTでの「鳥人間の鳥人軒」検索結果の切り抜き画像
チャットGPTが鳥人間のメインキャラクターを解説

 

鳥人間の鳥人軒というブログには、鳥人間と雉というメインキャラクターがいます。 鳥人間は英検1級保持者で、英語学習や園芸などに興味があります。雉は鳥人間の相棒で、ブログの更新情報などをツイートしています。二人は漫談形式で様々な話題を紹介しています。
チャットGPT検索結果

雉(Kiji)
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面白いケーンね。このチャットGPT、なんと日本語を英語まで翻訳してくれるケーンよ

 

雉は世界一の貿易商になるため、e-bayと北米amazonに出品しているケーンが、最近は辞書を引くこともなく、チャットGPTの翻訳に頼っているんだケーン。

 

もうこれ、英単語を自分で覚える意味はなし、そもそも外国語を自分で勉強しなくてもいいケーンね?

ふむ……じゃあ今回はAIが台頭する現在において、外国語を学ぶ意義を考察しようか。
鳥人間(Birdman)
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外国語を学習する意義は2つ

1翻訳ツールの妥当性を検討できること

まず、雉の意見によれば、チャットGPTが翻訳してくれるから、自分で外国語の単語を覚える必要がないし、習得する必要もない、ということでいいかな?
鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
雉(Kiji)
そうだケーン。最近のAIは翻訳の精度が上がってきているケーンから、自分で単語を覚える必要はないケーン。

 

辞書を引きながら合っているかどうか確認をすればいいんだケーン。

もっともらしいが、雉の理屈には矛盾があるよ。

 

チャットGPTが日本語を英語に翻訳してくれるので、単語を学ぶ必要がない。しかし、翻訳が正しいかをチェックするために、辞書を引く必要がある

 

ということは、翻訳が正しいかをチェックできる英語力は必要になる、ということだね。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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そ、そうだケーン……

 

だけど、翻訳された単語の中で自分が知らない単語を辞書で引いて、翻訳が正しいかを調べるだけだケーン。

 

全体的にかかる時間は節約できているんだケーン!

まあ、そこは譲ってあげるよ(全体では勝っている、とパチンコに負け続ける友人がいるんだが……)。

 

でもさ、考えてごらん。翻訳された英文や表現が、日本語におけるニュアンスや表現と一致しているかを調べたり、妥当であるかを判断するためには、正しい英語の知識や英文の蓄積がないとできないんじゃないかな?

 

仮に暗記していなくても、翻訳文が妥当であるかを調べる技術やコツを習得していないと、正しく相手に言いたいことが伝わらない可能性はないかい?

 

 

例えば、雉がe-bayの取引で、取引先から返金を求められたような場合、自分で妥当であるか確認ができない翻訳を使用するのは怖くないかい?

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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ケーン……確かにトラブルで相手が怒っている時に、不正確な翻訳で、さらに状況がこじれることは避けたいケーン……

 

そんな時には翻訳ができる人にお願いをしたいと思うケーン。

そうだろう。

 

もっとも、AI翻訳が進歩してるから、自分自身が外国語でしゃべったり書いたりする必要性はどんどん下がっていくと思うよ。

 

だけど、最低限の外国語の知識があれば、チャットGPTなどの翻訳ツールを上手に使いこなしていくことができる

 

つまり、仕事で、道具として翻訳ツールを使う人には、翻訳したい外国語の知識は絶対にあった方がいいんだ。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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確かに……チャットGPTなどの翻訳ツールを上手に使いこなすために、最低限の外国語の知識を持っておけば、より時間が短縮できるケーン
じゃあ、もう一つの外国語を学ぶ意義を検討しよう。
鳥人間(Birdman)
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2.言葉に対する鋭敏さを養い、母国語を豊かにできる

外国語の学習によって、言語感覚を鋭敏にできる。また母国語にない表現を取り入れることで、母国語が豊かになる

 

これが外国語を学ぶ真の目的だ。

 

古来、全世界の初等・中等教育において外国語の古典の暗唱が導入されていた

 

日本で言えば、論語などの漢文の素読(そどく)、ヨーロッパで言えばラテン語やギリシア語が過去数百年必須科目になっていた。

 

この目的は、外国語を習得するためでない。

 

自国語と異なる言語体系を学ぶことで、記憶力や読解力などの頭脳の基礎を鍛えるためなんだ

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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ケーン……確かに雉程度の英語力でも、日本語を英語に翻訳するときは、まず和文和訳をして、「なにがいちばん伝えたいことなのか」を確実に把握するんだケーン。

 

その過程で、元の日本語の無駄な表現をそぎ落とし、洗練された日本語を作ってから、英語にするんだケーン。

 

ケーン!?これが、言語に対する感覚を磨く、ということだケーンね。

そうだね、明治期の学者は、それまで日本になかった概念をや外国語と格闘しながら、自らの言語感覚を研ぎ澄まし、新しい日本語を作り出していったんだ。

 

つまり、外国語を学ぶことにより、新しい考え方や行動様式を理解して、用語を翻訳し、日本化させるということに成功した。

 

逆に、自分の実力に自信がない人間ほど、安易に外国語をそのままカタカナ表記にしたり、原語をそのまま載せたりしている。もっと、全人格をかけて言語に向き合ってほしいね。

 

昨今、大学における人文科学の地位が低下しており、まして文学部なんて役に立たないので予算を割くな、という風潮がある。

 

しかし、何度も言うように日本語にない新しい概念、考え方を取り入れて、日本に定着させることが外国語を学ぶ意義であるので、その総本山である大学の文学部に頑張ってもらいたい

 

文学部●●語科が、安易に、単なる外国語スクールにならないよう、研究機関にふさわしい、学問的態度を維持してほしいと思うよ。維持できなくなった時が、文学部が死ぬ時だ。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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英語も昔は素朴な単語しかなかったケーン。

 

でも、フランス語やラテン語を取り入れて(三省堂辞書ウェブ編集部による ことばの壺)、抽象的な話題も話すことができる、現代の英語になったんだケーン。



結論:実用面、文化面から外国語を学ぶ意義はある

結論として、外国語を学ぶことは

 

1実用面
2文化面

 

双方から意義がある。

 

もちろん、チャットGTPなどの翻訳ツールはすごく便利なものなのだよ。

 

翻訳ツールの機能を最大限に使えるように、使用者の外国語力もつけていきたいね。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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つまり、外国とのチャットやメールなどや旅行者として外国語を使う場合なら、ある程度まで英語ツールに頼っても問題はないケーンね。

 

だけど、仕事で使う可能性があったり、トラブルが起きる可能性があったりする人は、ツールを正しく使いこなせるように外国語の知識が必要となるケーン。

 

さらに、各分野でそれまで日本にない概念を理解し、日本に定着させるためには、その概念の元となる言語や文化に対する知識が必要となる。これはどちらかというと研究者やマニアだケーンね。

そうだね。

 

最後に鳥人間の愛読書『外国語の学び方』(渡辺照宏著)を引用しておくよ。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)

 もちろん歴史を見ても明らかなように、どの国でも国語の発展のためには外国語の影響が大きな役割を果たしています。古代ローマのラテン語の発展完成にはギリシア語が模範になっていたし、近代ヨーロッパ諸国語もすべて古典語や先進諸国の言語に学んで現在の形にまで進展したのです。フランス語やドイツ語の精密複雑な表現法もはじめからあの通りであったのでもなく、また自然にそうなったのでもありません。言葉を使う国民の意識的な努力の賜物に他ならないのです。
面白半分に外国語をやたらに使うのは子どもっぽい好奇心からです。子どものいたずらならそれですみますが、大人までが子どものいたずらの仲間になっていたのでは困ります。じつは自国語を尊重することと外国語を学習することとは矛盾するどころか相助けあい相補うものなのです。
渡辺照宏『外国語の学び方』岩波新書pp23-24

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