“Wrong About Japan”を読む~外国人親子が富野由悠季監督、宮崎駿監督にインタビュー~

雉(Kiji)
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どうすればジブリに「雉人間」を映画にしてもらえるのか、だケーン……
無理だと思うぞ。

そういえば、ブッカー賞を受賞した小説家が息子と一緒に、ジブリの宮崎駿監督にインタビューする本があるぞ。

Wrong About Japan“って本なんだけど。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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ケーン!?ぜひとも読みたいんだケーン!
詳細を、だケーン!
まあ、一部だけでも紹介しようかな。

でも図書館で借りるなり、購入するなりしてきちんと読むんだよ。

鳥人間(Birdman)
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ブッカー賞作家ピーター・ケアリー、息子経由で『アキラ』にハマる

鳥人間(Birdman)
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まず、作者のピーター・ケアリーは小説家なんだ。

息子のチャーリーが日本の「マンガ(manga)」にハマってしまったんだ。

 

当時ペーターは、どんな呼び方であろうが漫画(comic)は子供向けのものだと思っていたが、日本のマンガがアメリカのコミックとは異なることに気づくんだ。

 

それからケアリー親子は、足しげくニューヨークのマンガ店「Forbidden Planet」(公式ホームページへリンク)に通い、日本のマンガ『アキラ』に魅了されるだ。日本でいうアニメイトとかまんだらけかな。

雉(Kiji)
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『アキラ』!アニメ映画にもなった有名な作品だケーン!

確か、海外で圧倒的な人気を誇るんだケーンね。

そうだね、『アキラ』について語ると話がそれるので、興味がある人は個別に検索してほしい。

 

それでケアリー親子は『はだしのゲン』のマンガから『火垂るの墓』のアニメまで鑑賞してしまうほどのマンガ・アニメ通になってしまう。

 

そして、2002年、ピーターは東京にいる代理人を通じて、刀匠の吉原義人、アニメ監督の宮崎駿と富野由悠季などへのインタビューのため来日することになった。

 

これが、本書の概要だね。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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『はだしのゲン』に『火垂るの墓』……さすがはブッカー賞作家だけあって渋い選択だケーン。

その刀匠の吉原義人って人は雉も知らないだケーン。

そうだね、
恥ずかしながら鳥人間もこの本で初めて知ったよ。日本刀に関する本を英語で出していたりNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」にも出演したりと国内外で有名な方らしいね。

 

それで、この本は日本について事前に本で勉強してからインタビューに挑むピーターの、思い込みと実際の日本の微妙なズレを描くことによって、現代(2002年)の日本を描くことに成功しているんだ

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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思い込み……というと、機内食で寿司とテンプラが出たり、日本人はみんな眼鏡をかけていたり、ということかケーン?
そういうことではないが……ある意味近いかな。

例えば、さっきの刀鍛冶のインタビューではこんな感じなんだ。

鳥人間(Birdman)
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吉原さんにこう尋ねた。
「刀を鍛えるとき、刀の機能について考えることはありますか。皮膚や肉を切り、命を奪うという機能を」
「自分が作る刀について、そんなことを考えたことは一度もありません、一度も」
(中略)
しかし、インタビューの後、彼の本『日本刀の技法』で(訳注The Art of the Japanese Sword 英語版のみ)で「日本刀の機能を理解しなければ、日本刀をつくることはできません」との記述を見つけた。明らかな矛盾があったが、今更「刀の機能とは死をもたらすもの以外にはありえないでしょう」と聞くにはもう遅すぎた。
Peter Carey”Wrong About Japan”Vintage pp40-41(訳:鳥人間)

雉(Kiji)
雉(Kiji)
これは……ペーターさんが悪いのではないんだケーン。

雉でも矛盾を感じるんだケーン。

そうだよね。

他にも、吉原さんが「夜には夜の闇でなく、昼の薄暗い仕事場で仕事をしている」と聞いてどうしようもなく幻想的な風景を想像するんだ。

 

しかし、実際には「近所迷惑なので平日の午後9時から午前5時までは音が鳴る仕事を自粛している」という記述を本で見つけてしまうという話がオチ的に挿入される。

 

鳥人間もぜひお聞きしたいが、刀匠の仕事場でこういった込み入った質問をできるかと聞かれれば、難しいよね。

 

他にも『機動戦士ガンダム』の監督富野由悠季へのインタビューでも、期待する答えと監督の回答が違っていて肩透かしを食らう、というシーンがある。

鳥人間(Birdman)
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『機動戦士ガンダム』富野監督の現実的答え~ガンダム誕生秘話~

ガンダムは100メートルにしろとスポンサー

 

富野監督とのインタビューでもすれ違いは続く。
まずは『ガンダム』というアニメを制作した理由について引用してみよう。通訳のポールが富野監督の発言を要約しながら話しているよ
鳥人間(Birdman)
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「『ガンダム』という作品は、ただロボットのおもちゃを売るために立ち上げられました。視聴者が買いたくなるような商品を作り出すためにです。『ガンダム』という作品を作ろうというひらめきが初めからあったわけではありません。[商業作品であるところの]『ガンダム』を作ることが富野監督の仕事だったからです。それに『ガンダム』以前にも、監督はロボットのおもちゃメーカーがスポンサーのアニメたくさん作っています」
富野監督はさらに話し、ポールは翻訳して説明を加えた。
「ほら、富野監督はSFにもとても興味があったんだ。だから、おもちゃとして売るロボットが活躍できる、映画のようなものを作ろうとしたんだ。それが監督の仕事だった。だけど、『ガンダム』を作れと言われた時、監督が出した一つの条件はロボットが全長20メートルであることだったんだ。だけど、おもちゃ会社は全長100メートルのロボットを作らせたかった」
前掲書pp95-96

こんな感じで当時の大人の事情が語られていく。

 

ピーターは富野監督に対して、主人公を子どもにしたことについて尋ねるも、「おもちゃ会社が子どものキャラクターを主人公にしてほしかったからだ。おもちゃを買うのは子どもだから」という身も蓋もない回答が返ってくる。

 

この辺りは読んでいて面白いね。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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ケーン……双方が通訳を介さずに母国語同士で話していれば、あるいはかみ合ったかもしれんだケーン。

そういえば宮崎駿監督とのインタビューもあるケーンな?

あるにはあるが、インタビューの内容はほぼ省略されている。

正確に言えば、インタビューというか、宮崎監督が職場を色々見せてくれた、というような内容になっているね。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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それにしても興味がわいてきたんだケーン!学校の図書館で探してみるケーン。

そういえば、『ガンダム』見たことないケーンが、どこで見られるケーンか。ツタヤかケーン?

どこでもいいが、U-NEXTなら無料体験もついていて初代から続編までガンダム72タイトルが見られるよ。リンクを張っておくよ。
鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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ケーン♪
これを機に『Gガンダム』を見るんだケーン♪
おいおい『ガンダムW』を見るのだ。
鳥人間(Birdman)
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ガンダムを観るなら<U-NEXT>


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