サキの短編はまず「開いた窓」を読め!
おっ!良い心がけだ。
じゃあ、今回はイギリスの小説家であるサキの短編をいくつか紹介しよう。
ケーン?英語の短編と言えば、オー・ヘンリーというのが定石だケーン?
まあ、確かにそうなんだが、なぜか大抵みんな「賢者の贈り物」から読もうとして、最初の1段落目の解釈ができずに諦めるんだよ。
だから、短編でももっと短くて読みやすいものを紹介するよ。それが、「開いた窓」だ。
神経症の治療のため、とある田舎の家に紹介状を持ち、やってきたフラントン。フラントンはこの家のことをよく知らない。
家には小さな娘がおり、娘の叔母をフラントンは待っている。待っている部屋のフランス窓は夕方なのに開けたままだ。
すると、娘が話し出す。
3年前叔母に悲劇が起きた。3年前のちょうど今日、おぼの夫と二人の弟が、あの窓から狩りへ出かけて行った。
しかし、3人は沼にはまって帰ってこなかった。死体も見つからなかった。
叔母はいまでも3人が帰ってと信じて、窓をあけっぱなしにしている。
3人の服装を話しながら、白い防水コートを腕にかけた叔父、下の弟のロニーは『バーティー、お前はなぜはねるのだ』を歌いながら出て行った、と。
すると、叔母がやってきて、「もう少しで夫と弟が狩りから帰ってくるの」と言う。
フラントンは、哀れみを感じながら叔母を見ていると、叔母が「帰ってきた」と叫ぶ。
フラントンが窓の先を見ると、先ほどの特徴の男たちが『バーティー、お前はなぜはねるのだ』を歌いながら帰ってくる。
ホラーだケーン!
読めばきっと驚くこと請け合いだよ。
ちなみに、日本語訳と英語版おすすめはあるケーンか?
英語版は全集(the complete saki)で検索したら昔は1500円くらいだったけど、今は紙のほとんどヒットしないね。
日本語の対訳がついたものならあるが、高いね。
電子書籍なら200円くらいのがヒットするけど。
まあ、英語版は、プロジェクトグーテンベルク(外部リンク)でもう無料で公開しているから、そっちで読んでもいいよ。
サキとは?ジャーナリストから小説家へ
父は当時のビルマ(現ミャンマー)の警察に勤めており、サキはビルマで生まれたんだ。
その後23歳でビルマ警察に勤めるが、2年ほどでイギリスに帰国。その後はジャーナリストとして、各国を旅するよ。
小説を書き始め、第一次世界大戦に従軍、フランス戦線で死亡。46歳だった。
表題作「レジナルド」は金持ち婦人のペルシャ猫の子どもを譲り受けたい「わたし」が、金持ち婦人のご機嫌取りのため、人気のあるレジナルドを連れていくが……という話
基本的に人の話を聞くのが嫌いなレジナルドは、人から話しかけられるたびに、皮肉を言ったり、やり込めたりするので、「わたし」はその都度フォローに入る。
さて、無事にペルシャ猫の子猫を譲り受けることができるのか。という話だね。
本当に面白いケーンか?
しかし、サキの短編の特徴である、皮肉や心理描写などの要素はすでに詰まっているね。
なので、まずはさっきの「開いた窓」が入っている短編集を読めばいいよ。あるいは、「開いた窓」が入っている日本語訳の短編集の目次を見て、目次に載っている題の英語版を読んでいけば間違いはない。