英語圏の短編小説紹介~第1回サキ「開いた窓」を中心に~

サキの短編はまず「開いた窓」を読め!

雉(Kiji)
雉(Kiji)
ううむ……そろそろ英語の小説も読んでみたいケーンね。長編は大変だから、短編で、しかも読んで面白いものがいいケーンね。

おっ!良い心がけだ。

 

じゃあ、今回はイギリスの小説家であるサキの短編をいくつか紹介しよう。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
雉(Kiji)
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ケーン?英語の短編と言えば、オー・ヘンリーというのが定石だケーン?

まあ、確かにそうなんだが、なぜか大抵みんな「賢者の贈り物」から読もうとして、最初の1段落目の解釈ができずに諦めるんだよ

 

だから、短編でももっと短くて読みやすいものを紹介するよ。それが、「開いた窓」だ。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
サキ短編集表紙
サキ短編集表紙
雉(Kiji)
雉(Kiji)
どんな話だケーン?
内容はこんな感じだよ。
鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)

神経症の治療のため、とある田舎の家に紹介状を持ち、やってきたフラントン。フラントンはこの家のことをよく知らない。

家には小さな娘がおり、娘の叔母をフラントンは待っている。待っている部屋のフランス窓は夕方なのに開けたままだ。

すると、娘が話し出す。

3年前叔母に悲劇が起きた。3年前のちょうど今日、おぼの夫と二人の弟が、あの窓から狩りへ出かけて行った。

しかし、3人は沼にはまって帰ってこなかった。死体も見つからなかった。

叔母はいまでも3人が帰ってと信じて、窓をあけっぱなしにしている。

3人の服装を話しながら、白い防水コートを腕にかけた叔父、下の弟のロニーは『バーティー、お前はなぜはねるのだ』を歌いながら出て行った、と。

すると、叔母がやってきて、「もう少しで夫と弟が狩りから帰ってくるの」と言う。

フラントンは、哀れみを感じながら叔母を見ていると、叔母が「帰ってきた」と叫ぶ。

フラントンが窓の先を見ると、先ほどの特徴の男たちが『バーティー、お前はなぜはねるのだ』を歌いながら帰ってくる。

雉(Kiji)
雉(Kiji)
ヒイィ……だケーン!
ホラーだケーン!
フフフ、ここまで読むとホラーだけど、この後に恐ろしいオチが待っている。

読めばきっと驚くこと請け合いだよ。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
雉(Kiji)
雉(Kiji)
ううむ……面白そうだケーン!
ちなみに、日本語訳と英語版おすすめはあるケーンか?
「開いた窓」は大抵の文庫に入っているから、一応有名どころを紹介しておく。

 

英語版は全集(the complete saki)で検索したら昔は1500円くらいだったけど、今は紙のほとんどヒットしないね。

 

日本語の対訳がついたものならあるが、高いね。

電子書籍なら200円くらいのがヒットするけど。

 

まあ、英語版は、プロジェクトグーテンベルク(外部リンク)でもう無料で公開しているから、そっちで読んでもいいよ。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)

雉(Kiji)
雉(Kiji)
ところで、サキってどんな人なんだケーン?

サキとは?ジャーナリストから小説家へ

サキ(1870年~1916年)はスコットランド系のイギリス人で、本名はヘクター・ヒュー・マンロー。

父は当時のビルマ(現ミャンマー)の警察に勤めており、サキはビルマで生まれたんだ。

 

その後23歳でビルマ警察に勤めるが、2年ほどでイギリスに帰国。その後はジャーナリストとして、各国を旅するよ。

 

小説を書き始め、第一次世界大戦に従軍、フランス戦線で死亡。46歳だった。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
雉(Kiji)
雉(Kiji)
ケーン……、小説家なのに、行動派だケーンね。小説はどんな内容なのかケーン?

短編集の第一作品は『レジナルド』で1904年に発行された。

 

表題作「レジナルド」は金持ち婦人のペルシャ猫の子どもを譲り受けたい「わたし」が、金持ち婦人のご機嫌取りのため、人気のあるレジナルドを連れていくが……という話

 

基本的に人の話を聞くのが嫌いなレジナルドは、人から話しかけられるたびに、皮肉を言ったり、やり込めたりするので、「わたし」はその都度フォローに入る。

 

さて、無事にペルシャ猫の子猫を譲り受けることができるのか。という話だね。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
雉(Kiji)
雉(Kiji)
ケーン……なんというか、主人公が絶対的に強いライトノベルみたいな感じだケーンね?

 

本当に面白いケーンか?

正直、この「レジナルド」シリーズはあまり面白くない

 

しかし、サキの短編の特徴である、皮肉や心理描写などの要素はすでに詰まっているね

 

なので、まずはさっきの「開いた窓」が入っている短編集を読めばいいよ。あるいは、「開いた窓」が入っている日本語訳の短編集の目次を見て、目次に載っている題の英語版を読んでいけば間違いはない。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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ケーン、図書館で短編集借りて、プロジェクトグーテンベルクで英語を読むんだケーン♪



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