『勇者カタストフ!!』、『うめぼしの謎」同様に大都社から復刊
今回は、前回ちらっと触れた『勇者カタストロフ!!』を紹介しようと思う。
「ドラゴンクエスト四コマ漫画劇場」シリーズで人気を博していた。絵も上手で、モンスターやボスをコミカルに描く作風が特徴だったんだ。
この『勇者カタストロフ!!』は、『ギャグ王』創刊当時からの連載されており(1994年5月号から1996年12月号)、ギャグとシリアスが融合した作風で、『うめ謎』と並んでギャグ王の看板作品だったんだ。
王、伝説を作るため、魔王の封印を爆破
どんな話を思い浮かべる?
ちょっと変化球のファンタジーものケーンね?
実は、若者はただの魚屋。
ロマンが欲しいという理由で、大魔王の封印を爆破させたんだ。
旧世紀末には国を3日で焼け野原にしたというやつをね。
これで勝てるだケーン。
勇者シェカネア=魚屋(サカナヤ)、誤発注
門番に「魚屋です」と告げると、王の間に通され「代々の勇者シェカネア」かと聞かれる。
ひょっとして……で、でもシェカネア、という人は本当にいるんだケーンね。
しかも、運が悪いことに、本物シェカネアも来ていたが、ヨボヨボのおじいさんになっていた。
本人は「わしゃ40年前はホントに勇敢な戦士で」と言っている。
魚屋のズックを勇者に仕立てあげ、魔王討伐に向かわせる。
王、勇者(魚屋ズック)を人柱に仕立て上げる
怒った大魔王によってこの国が滅びるのはまあ、しょうがない。
だが、なまじ王としての責任を負わされてはかなわん。
ここはひとつ、このバカを勇者に仕立てて、すべての責をなすりつける他、策はない。
この作品はギャグという形でオブラートに包みながら、ドラクエに代表されるRPGのお約束を風刺しているんだよ。
魔王の物語が3話で終わった後は、商店街に飛行百貨店が押し寄せ、激安戦争を仕掛けてくる。
そこで、勇者の称号を得た魚屋が、百貨店店主の「ダイ・バザール」に戦いを挑む、商売で。
百貨店対商店街、現代の問題をいち早く漫画で取り扱う
しかも殴り合いじゃなくて、商売で戦うケーンか?
しかも、この「ダイ・バザール」は最後まで主人公と戦うライバルとして、いいキャラになっていく。
やはり、こうやって読み返すと、ゲームだけでなく、現代社会をもパロディにしている、挑戦的な作品だと思うよ。
あとは、『ガンダム』や『ダンバイン』などのロボットもののパロディも結構入っている。
単行本は今でも手に入るんだケーンか?
復刊のリクエストが通り、2010年に大都社から復刊されている(全2巻)。
エニックス版は中古で安く買えるよ。駿河屋とかブックオフあたりで。