万年筆入門~インク吸引式・カートリッジ式どちらを選ぶ?~

雉(Kiji)
雉(Kiji)
相変わらず鳥人間の部屋は足の踏み場がないケーンね。

ん?これはおもちゃだケーンか?

プラチナ万年筆「キュリダス」の写真
あやしげな筒状のもの

ああ、それは万年筆だよ。

 

万年筆の中でも、キャップがない「キャップレス万年筆」だな。

 

プラチナ万年筆の「キュリダス」という万年筆だよ。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
雉(Kiji)
雉(Kiji)
わっ!驚いたケーン!

 

それはそれとして、雉は万年筆って使ったことないケーンが、どんなペンなんだケーン?

そうだね、今回は万年筆について解説しようか。
鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)



液体インクを補充して筆記できるペン、それが万年筆

万年筆を持つ雉の画像
万年筆を持つ雉(今回は万年筆で作画)
万年筆とは、液体のインクをペンに補充して、筆記できる道具のことをいう。

 

ペン軸内のインクがペン先に伝わって、ペン先と接触した紙にインクが出て、文字がかける、という仕組み。

 

英語だと“fountain pen”(泉のペン)、的確に特徴を表しているね。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
万年筆のイラスト
万年筆イメージ(いらすとや)
雉(Kiji)
雉(Kiji)
確かに……昔の漫画で、たびたびインクを補充したり、インクが漏れたり、といった描写をみたことがあるケーン。

 

今の万年筆もインク壺にペン先を突っ込んで補充しなければいけないケーンか?

万年筆はインク吸入式とカートリッジ式の2種類がある

そんなことはない。

 

万年筆のインク補充方式は大きく分けると2つになる。

 

一つはインク壺からインクを取り込む「インク吸入式」、もう一つがカートリッジ式

 

インク吸入式は下の写真のような道具が必要だ。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
インク壺の画像
インク壺(プラチナ万年筆社製造)
ペン軸を取り外した万年筆の写真
ペン軸を外した状態の万年筆。インク吸引用コンバーターが見える。(写真はアウロラ社の万年筆「イプシロン」)
雉(Kiji)
雉(Kiji)
おお!「これぞ万年筆」という万年筆とインク壺だケーン。

 

じゃあ、カートリッジ式っていうのはどういうものだケーン?

カートリッジ式はすでにインクを詰め込んだカートリッジを使用する。

 

外出先でインクがなくなっても、カートリッジを携帯していれば、手早く交換できる

 

交換時に手が汚れないのもうれしいな。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
カートリッジと万年筆の写真
カートリッジと万年筆(プラチナ万年筆社製「キュリダス」)
カートリッジを上から撮影した写真
万年筆との接触部分はベアリングで封がしてある。

インク吸引式とカートリッジ式、それぞれの長所は?

インク量とコストパフォーマンスのインク吸引式

雉(Kiji)
雉(Kiji)
それで、どっちの方式の方が便利なのかケーン?
用途によるな。

 

インク吸引式は吸引できるインクの量がカートリッジ式よりも多いのが特徴だ。

 

さらに、インクは1瓶あれば、よく筆記をする人でも1年以上は持つ。いわゆるコストパフォーマンスがいい

 

学生なら1年間につかう筆記用具題よりも安いはずだよ

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)

雉(Kiji)
雉(Kiji)
確かに……じゃあ逆にインク吸引式の弱点はあるのかケーン?
そうだな。インクの詰め替えにインク壺が必要なところと、インクの詰め替えで手が汚れることだな。

 

外出先でインクが切れたら、予備の万年筆を使うか、他の筆記用具を使うくらいしか手はない。

 

カートリッジも使える万年筆であれば、カートリッジを入れるのもアリだが、インクの付いたコンバーターを袋に入れて保管するなど、手間がかかるところだね。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)
雉(Kiji)
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そうなると、吸引式の弱点の部分に対応できることが、そのままカートリッジ式の長所になりそうだケーンね。

利便性のカートリッジ式

そうだね。

 

カートリッジ式の長所は、交換が楽であることだ。

 

しかも、カートリッジは小さいので、筆箱に常に2~3本いれておける

 

万が一インクが切れても、手を汚さずにすぐにインクが補充できる

 

これが最大の長所だ。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
雉(Kiji)
そんな便利なら、万年筆は全てカートリッジ式になってしまうケーンね。

 

逆にカートリッジ式の弱点は?

インク量コストパフォーマンスだ。

 

まず、一回の交換で充填できるインク量が、吸引式よりも少ない

 

交換回数が多いので、結果的にインク瓶よりも割高になってしまう

 

さっき見せたインク瓶と比較してごらん?

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)


雉(Kiji)
雉(Kiji)
あー、カートリッジ3箱分くらいがインク1瓶の値段だケーンが……

 

これでもインク瓶と吸引式の組み合わせの方がお得だケーンね?

そうなんだよ。体感なんだけど、カートリッジ式は結構早くカートリッジ交換しなければいけないんだ。

 

集中して作業しているときにインクが切れると、意外にイラっとする

 

だから、自分の家で使うならインク吸引式の方がいいと思うよ。

 

お得かどうか、という雉の質問からはずれるけど、万年筆の使用者は、出先で使うよりも、自分の部屋で書き物をしたり、勉強に使ったりすることが多いんじゃないかな。

 

鳥人間も、英語の学習時にはインク吸引式の万年筆を使っているよ。

 

ボールペンや鉛筆よりもサラサラ書けるからね。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)

なぜこの時代に万年筆を使うのか

雉(Kiji)
雉(Kiji)
ううむ……カートリッジ式の便利さと、インク吸引式のお得さはわかったんだケーン。

 

しかし、三菱鉛筆のジェットストリームというボールペンは、なめらかな書き心地で、少年ジャンプよりも安い値段で手に入るんだケーン。それに、インク交換も手が汚れず便利だケーン。

 

今時、あえて万年筆という不自由な筆記用具を使う必要があるケーンか?

痛いところを突くな。

 

確かに、ジェットストリームは使いやすいな。

 

それに比べて、万年筆は不便だし、ノートに書いた文字が汗でにじんだりして、困ったことも多い。

 

その状況で、万年筆の優位性を上げるとすれば、

1.ペン先が自分専用に育つ

2.連続筆記が楽

3.ロマン

この3つだ。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
雉(Kiji)
色々突っ込みたいケーンが……

まずは説明をお願いするケーン

ペン先が育つとは?

万年筆は絶対に人に貸すな」と言われる。

 

これは、万年筆のペン先は、購入直後の状態から徐々に変化していく。本人の筆圧でね。

 

そこで別の人が使うと変な癖がペン先につくので、「貸すな」と言われるんだね。

 

だから、長年使うことで自分にとって書きやすい万年筆ができあがる、ということさ。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
雉(Kiji)
確かに……ボールペンはペン先のボールはインクの替え芯と一体化しているから、育つことはないケーンね。

連続筆記こそ万年筆の真骨頂

次ね。受験勉強で英文をたくさん書くとき、ボールペンや鉛筆だと手だと手が疲れなかったかい?
鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
雉(Kiji)
そうだケーンね。

 

シャープペンや鉛筆はノックしたり、削ったりするのが面倒だから、ボールぺン使っていたケーン。

 

ついつい力が入って、肩が凝ってしまったケーンよ。

そうだよね。

 

万年筆の場合は、ペン先が紙についた状態で、少し圧力をかけるとインクが出てくるから、それほど力を入れなくても、サラサラ書ける

 

しかも、金を使ったペン先だと力を入れすぎると曲がったり、折れたりするから、必然的に力を入れないように気をつけて筆記することになる。

 

つまり、ボールペンよりも肩が凝りにくい状況が作れ、連続筆記に向いているんだ。

 

だから、受験生は暗記のために文章を書いたり、ノートを作るなら、万年筆を使えば早く、楽にできると思うんだけどね。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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言われてみれば確かに……脱力して早く書けるのはうれしいケーンね。

万年筆、それはロマン

 

最後だ。

さて、雉よ。万年筆、と聞いてどんなイメージを持つ

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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えーと、小説家とか、大正時代とか、おしゃれとか、高い値段とか……
マイナスのイメージはあるかな?
鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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まあ、時代遅れ、というイメージはあるケーンが……

その「時代遅れ」というイメージ自体も「かっこいい」寄りのイメージだケーンね。

そうだろう。

自分では買わないだろうけど、記念日にプレゼントされたらどう思う

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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いまさら万年筆?と驚くとは思うケーンが……

少し胸が高鳴って、ちょっと使ってみようと思うケーン。

時代遅れの筆記用具なのに、なんで使おうと思うんだい?
鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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やっぱり、外見がかっこいいし、万年筆を使ったことなんてないケーンから、こう……非日常が味わえるんだケーン。
それだよ!

万年筆は筆記用具という実用品であると同時に、不自由を楽しむ嗜好品でもあるのさ。

ポケモンで言えば、対戦用の実用ポケモンでなく、好きだから使いたいという「ロマン枠」ポケモンカードゲームで言えば、ファンデッキ

 

それが万年筆なんだ。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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ほほう……だケーン。

ちょっと興味出てきたら、初心者用の万年筆を教えてほしいケーン。

 

初めての万年筆にはこれ

プラチナ万年筆「#3776センチュリー」

「パイロット」「セーラー万年筆」と並び、日本三大万年筆メーカーに数えられる「プラチナ万年筆」の「#3776センチュリー」だ。

 

特徴はインクの乾燥を防ぐ驚きの密閉性。2年間キャップをしたまま使わなくても、キャップを開けてすぐにインクが出る(プラチナ万年筆公式サイトへ)、という。

 

通常、万年筆は一月使用しなければインクは空になる

 

万年筆愛好家の小説家・梅田晴夫を中心としたプロジェクトチームが、理想の万年筆を求めて開発した逸品だ。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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おお……学生でも少し節約すれば手に届くお値段。

それに、インクが乾かないのがうれしいケーンね。

初めて万年筆を使う人は、使用頻度が低いはずだ。

 

そして、万年筆はキャップを閉めていても、インクが蒸発してしまう。

 

そうすると、ペン先に乾いたインクが詰まってしまい、ペン先洗浄をしなければならない

 

これが面倒くさくて、万年筆を使わなくなるということがある。

 

このセンチュリーは万年筆初心者がつまづく要素を排除しているので、おすすめできるんだ。

 

いつもはおすすめをいくつか紹介するけど、今回は1本だけにしておくよ。

 

冒頭に紹介した「キュリダス」は次回解説する。

鳥人間(Birdman)
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雉(Kiji)
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鳥人間の自信のほどがうかがえるケーン。

色々な万年筆を見たい、という人はこの本がおすすめだよ。

 

次回からは鳥人間の愛用万年筆をどんどん紹介していくよ。

鳥人間(Birdman)
鳥人間(Birdman)

雉(Kiji)
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楽しみだケーン!

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