ん?これはおもちゃだケーンか?
それはそれとして、雉は万年筆って使ったことないケーンが、どんなペンなんだケーン?
液体インクを補充して筆記できるペン、それが万年筆
ペン軸内のインクがペン先に伝わって、ペン先と接触した紙にインクが出て、文字がかける、という仕組み。
英語だと“fountain pen”(泉のペン)、的確に特徴を表しているね。
今の万年筆もインク壺にペン先を突っ込んで補充しなければいけないケーンか?
万年筆はインク吸入式とカートリッジ式の2種類がある
万年筆のインク補充方式は大きく分けると2つになる。
一つはインク壺からインクを取り込む「インク吸入式」、もう一つがカートリッジ式。
インク吸入式は下の写真のような道具が必要だ。
じゃあ、カートリッジ式っていうのはどういうものだケーン?
外出先でインクがなくなっても、カートリッジを携帯していれば、手早く交換できる。
交換時に手が汚れないのもうれしいな。
インク吸引式とカートリッジ式、それぞれの長所は?
インク量とコストパフォーマンスのインク吸引式
インク吸引式は吸引できるインクの量がカートリッジ式よりも多いのが特徴だ。
さらに、インクは1瓶あれば、よく筆記をする人でも1年以上は持つ。いわゆるコストパフォーマンスがいい。
学生なら1年間につかう筆記用具題よりも安いはずだよ。
外出先でインクが切れたら、予備の万年筆を使うか、他の筆記用具を使うくらいしか手はない。
カートリッジも使える万年筆であれば、カートリッジを入れるのもアリだが、インクの付いたコンバーターを袋に入れて保管するなど、手間がかかるところだね。
利便性のカートリッジ式
カートリッジ式の長所は、交換が楽であることだ。
しかも、カートリッジは小さいので、筆箱に常に2~3本いれておける。
万が一インクが切れても、手を汚さずにすぐにインクが補充できる。
これが最大の長所だ。
逆にカートリッジ式の弱点は?
まず、一回の交換で充填できるインク量が、吸引式よりも少ない。
交換回数が多いので、結果的にインク瓶よりも割高になってしまう。
さっき見せたインク瓶と比較してごらん?
これでもインク瓶と吸引式の組み合わせの方がお得だケーンね?
集中して作業しているときにインクが切れると、意外にイラっとする。
だから、自分の家で使うならインク吸引式の方がいいと思うよ。
お得かどうか、という雉の質問からはずれるけど、万年筆の使用者は、出先で使うよりも、自分の部屋で書き物をしたり、勉強に使ったりすることが多いんじゃないかな。
鳥人間も、英語の学習時にはインク吸引式の万年筆を使っているよ。
ボールペンや鉛筆よりもサラサラ書けるからね。
なぜこの時代に万年筆を使うのか
しかし、三菱鉛筆のジェットストリームというボールペンは、なめらかな書き心地で、少年ジャンプよりも安い値段で手に入るんだケーン。それに、インク交換も手が汚れず便利だケーン。 今時、あえて万年筆という不自由な筆記用具を使う必要があるケーンか?
確かに、ジェットストリームは使いやすいな。
それに比べて、万年筆は不便だし、ノートに書いた文字が汗でにじんだりして、困ったことも多い。
その状況で、万年筆の優位性を上げるとすれば、
1.ペン先が自分専用に育つ
2.連続筆記が楽
3.ロマン
この3つだ。
まずは説明をお願いするケーン
ペン先が育つとは?
これは、万年筆のペン先は、購入直後の状態から徐々に変化していく。本人の筆圧でね。
そこで別の人が使うと変な癖がペン先につくので、「貸すな」と言われるんだね。
だから、長年使うことで自分にとって書きやすい万年筆ができあがる、ということさ。
連続筆記こそ万年筆の真骨頂
シャープペンや鉛筆はノックしたり、削ったりするのが面倒だから、ボールぺン使っていたケーン。
ついつい力が入って、肩が凝ってしまったケーンよ。
万年筆の場合は、ペン先が紙についた状態で、少し圧力をかけるとインクが出てくるから、それほど力を入れなくても、サラサラ書ける。
しかも、金を使ったペン先だと力を入れすぎると曲がったり、折れたりするから、必然的に力を入れないように気をつけて筆記することになる。
つまり、ボールペンよりも肩が凝りにくい状況が作れ、連続筆記に向いているんだ。
だから、受験生は暗記のために文章を書いたり、ノートを作るなら、万年筆を使えば早く、楽にできると思うんだけどね。
万年筆、それはロマン
さて、雉よ。万年筆、と聞いてどんなイメージを持つ?
その「時代遅れ」というイメージ自体も「かっこいい」寄りのイメージだケーンね。
自分では買わないだろうけど、記念日にプレゼントされたらどう思う?
少し胸が高鳴って、ちょっと使ってみようと思うケーン。
万年筆は筆記用具という実用品であると同時に、不自由を楽しむ嗜好品でもあるのさ。
ポケモンで言えば、対戦用の実用ポケモンでなく、好きだから使いたいという「ロマン枠」ポケモン。カードゲームで言えば、ファンデッキ。
それが万年筆なんだ。
ちょっと興味出てきたら、初心者用の万年筆を教えてほしいケーン。
初めての万年筆にはこれ
プラチナ万年筆「#3776センチュリー」
特徴はインクの乾燥を防ぐ驚きの密閉性。2年間キャップをしたまま使わなくても、キャップを開けてすぐにインクが出る(プラチナ万年筆公式サイトへ)、という。
通常、万年筆は一月使用しなければインクは空になる。
万年筆愛好家の小説家・梅田晴夫を中心としたプロジェクトチームが、理想の万年筆を求めて開発した逸品だ。
それに、インクが乾かないのがうれしいケーンね。
そして、万年筆はキャップを閉めていても、インクが蒸発してしまう。
そうすると、ペン先に乾いたインクが詰まってしまい、ペン先洗浄をしなければならない。
これが面倒くさくて、万年筆を使わなくなるということがある。
このセンチュリーは万年筆初心者がつまづく要素を排除しているので、おすすめできるんだ。
いつもはおすすめをいくつか紹介するけど、今回は1本だけにしておくよ。
冒頭に紹介した「キュリダス」は次回解説する。
次回からは鳥人間の愛用万年筆をどんどん紹介していくよ。